【内定式の質問 完全ガイド】好印象を与える質問例文集とNG例を徹底解説|懇親会・座談会OK

内定式や、その後の懇親会・座談会。「何か質問はありますか?」と振られたとき、何を聞けばよいか悩んでいませんか?

「変な質問をして、入社前から評価を下げたくない…」

「でも、何もしゃべらないと意欲がないと思われるかも…」

その悩み、この記事ですべて解決します。

内定式の質疑応答は、単なる式典の一部ではなく、あなたの不安を解消し、同時に「入社意欲」をアピールする絶好のチャンスです。

この記事では、内定式での質問に関する「失敗しないためのルール」から、先輩社員や人事に聞くべき「具体的な質問例文集」まで、あなたの疑問を解消し、好印象を残すための戦略を完全網羅します。

印象を分ける!内定式の質問で失敗しないための「7つのルール」

内定式の質問は、内容以上に「質問の仕方」であなたのビジネスマナーや準備の度合いが評価されます。好印象を与えるための7つの基本ルールを解説します。

1. 【絶対NG】調べればわかる質問はしない

企業の公式サイトや採用ページ、配布資料に書いてあること(企業理念、設立年、福利厚生のリストなど)を聞くのは、「準備不足」「志望度が低い」という致命的な印象を与えます。

ただし、調べた事実を「前置き」として活用するのは、準備度と意欲を同時に示す高度なテクニックです。

💡 戦略的転換(例文)

  • NG例: ❌ 「研修制度について教えてください。」
  • OK例: ✅ 「採用サイトで『入社後3ヶ月間のOJT研修がある』と拝見しました。差し支えなければ、〇〇様(先輩社員)が、その研修期間中で最も実務に役立ったと感じられたプログラムやご経験についてお伺いできますでしょうか?」

2. Yes/Noで終わらない「オープンクエスチョン」を意識する

「はい」「いいえ」で終わる質問は会話が続かず、深い情報が得られません。相手の経験や価値観、具体的なエピソードを引き出す質問を心がけましょう。

💡 戦略的転換(例文)

  • NG例: ❌ 「部署の雰囲気は良いですか?」
  • OK例: ✅ 「〇〇様が所属されているチームは、具体的にどのような雰囲気で、普段どのような形でコミュニケーション(例:チャット、対面MTGなど)を取られることが多いか、教えていただけますか?」

3. 質問の「前置き(クッション言葉)」を必ず用意する

質問の意図を正しく伝え、唐突な印象を避けるため、前置きはビジネスマナーとして不可欠です。

  • 感謝: 「本日は貴重なお話をいただき、誠にありがとうございます。〇〇様にお伺いしたいのですが…」
  • 自己開示と意図: 「私は入社後、〇〇で貢献したいと考えております。その上で、一点質問がございます…」
  • 共感・確認: 「先ほど〇〇様が『仕事で大変なこと』についてお話しされていましたが、それに関連して、もう少し詳しくお伺いしたい点がございます…」

4. 【最重要】給与・残業・休暇の「聞きにくい質問」の安全な方法

給与や残業といった待遇面の質問は、最も注意が必要です。重要なのは**「TPO(時・場所・場合)」「質問の意図」**です。

  • ❌ 避けるべき場: 内定式本編など、役員もいる「公式の場」での全体質疑。
  • ✅ 適切な場: 懇親会、座談会、人事との個別面談など、非公式でクローズドな場。

「権利の主張」ではなく、「入社後に高いパフォーマンスを発揮するための確認」という意図を明確に伝えましょう。

💡 聞き方の鍵(例文)

  • 残業・働き方: 「入社後、高いパフォーマンスを発揮し続けるためにも、自己管理を徹底したいと考えております。差し支えなければ、繁忙期のおおよその平均的な残業時間や、皆様がリフレッシュのために工夫されていること(例:有給休暇の取得の仕方)などがあれば教えていただけますでしょうか。」
  • 福利厚生(住居など): 「入社後、通勤の利便性も考慮し、転居を検討しております。つきましては、家賃補助などの制度について、実際に活用されている事例や申請のプロセスについて、具体的にお伺いできますでしょうか。」

5. 質問の「タイミング」と「態度」をわきまえる

質疑応答の時間に、自信を持って手を挙げましょう。また、回答中は適切な相槌やメモを取る姿勢が重要です。他の内定者の質問にも真剣に耳を傾け、協調性を示しましょう。

6. 質問は「簡潔かつ明確に」伝える

背景説明が長くならないよう、「~について、お伺いします」と結論から先に述べると、相手は回答を準備しやすくなります。

7. 対象者(誰に聞くか)を明確にする

  • 先輩社員に聞くべきこと: 現場のリアルな実態、1日の流れ、部署の雰囲気、新入社員時代の経験。
  • 人事・経営層に聞くべきこと: 会社全体の制度、配属プロセス、キャリアパスのモデル、公式な見解。

質問すべき「TPO」早わかりマトリクス

聞きたい内容に応じて、質問すべきタイミングを見極めましょう。

トピック1. 内定式(公式・全体)2. 懇親会・座談会(非公式)3. 人事との個別面談
成長意欲・業務内容◎ 最適
(高い意欲をアピール)
◎ 最適
(具体的な事例を聞ける)
○ 推奨
社風・職場の雰囲気○ 可
(抽象的な質問なら)
◎ 最適
(リアルな声を聞ける)
△ どちらでもよい
待遇・福利厚生
(給与・残業・休暇)
× 絶対に避ける
(自己中心的な印象)
△ 注意
(聞き方と前置きに注意)
◎ 最適
(臆せず確認すべき)

【例文集】内定式の懇親会・座談会で聞くべき質問|相手別

ここからは、懇親会や座談会でそのまま使える質問例文を、相手別に紹介します。

1. 先輩社員に聞くべき質問(業務・社風のリアル)

現場の「生の声」を聞き、入社後のミスマッチを防ぎましょう。

業務内容(「自分にできるか」の確認)

  • (1日の流れ): 「〇〇様が所属されている〇〇部の、典型的な1日の仕事の流れ(出社・退社時間や主なタイムスケジュール)を教えていただけますでしょうか?」
  • (仕事の難しさ・やりがい): 「〇〇様がこのお仕事で、最も『大変だ』と感じる部分と、逆に最も『やりがい』を感じる瞬間を、具体的なエピソードとあわせてお伺いできますか?」
  • (新入社員時代の経験): 「〇〇様が新入社員だった頃、どのようにして現在の業務をキャッチアップされていったのか、お伺いしたいです。」

社風と人間関係(「自分に合うか」の確認)

  • (部署の雰囲気): 「〇〇様が所属されている部署やチームは、全体としてどのような雰囲気でしょうか? また、新入社員がチームに溶け込むために、部署として行っている取り組みなどはございますか?」
  • (コミュニケーション): 「チーム内でのコミュニケーションは、どのような形(例:チャット、定例MTGなど)で取られることが多いでしょうか?」
  • (社風の言語化): 「〇〇様が、御社の社風を『一言で表す』としたら、どのような言葉になりますでしょうか?」

先輩個人の経験(「ロールモデル」の発見)

  • (入社の決め手): 「〇〇様が就職活動をされていた際、最終的に当社への入社を決められた理由や、当時の志望動機をお聞かせいただけますでしょうか?」
  • (就活時のアドバイス): 「〇〇様が私達と同じ立場だった頃を振り返って、『入社前にこれをしておけばよかった』と後から感じたことがあれば、ぜひアドバイスとして教えてください。」

2. 人事・経営層に聞くべき質問(制度・キャリア)

会社全体の「仕組み」と自身の「中長期的なキャリア」をすり合わせ、長期的な貢献意欲をアピールします。

研修と配属(「スタート」の確認)

  • (研修制度): 「入社後の研修制度についてお伺いします。特に、新入社員研修(あるいはOJT)において、どのようなスキルが重点的に身につくのか、具体的なプログラム内容を教えていただけますでしょうか。」
  • (配属プロセス): 「配属先の部署は、いつ頃、どのようなプロセス(例:本人の適性、希望、面談など)を経て決定されるのでしょうか。」
  • (資格取得支援): 「業務を遂行する上で推奨される資格や、会社として支援される制度(例:自己啓発支援)があれば、具体的な活用事例を教えてください。」

キャリアデベロップメント(「将来性」の確認)

  • (活躍人材): 「御社で早期からご活躍されている若手社員の方に、共通する特徴や行動様式はございますでしょうか?」
  • (キャリアパス): 「御社では、将来的な異動の機会や、スペシャリスト職とマネジメント職のようなキャリアの分岐は、どのように設計されていますでしょうか?」
  • (評価制度): 「新入社員が早期に成長し、成果を出すために、会社からはどのような行動や姿勢が最も期待されていますでしょうか?」

働き方と制度(「持続可能性」の確認)

  • (多様な働き方): 「リモートワークやフレックスタイム制度について、現在の具体的な活用状況や、部署・職種ごとの利用率について教えていただけますか?」
  • (休暇制度): 「(座談会や個別面談の場で)皆様がリフレッシュのために、有給休暇をどのように活用されているかお伺いしたいです。平均的な消化率や、連続での取得実績などはございますでしょうか。」
  • (育児・介護): 「育児休暇の制度について、実際の取得実績、特に男性社員の取得事例などがございましたら教えてください。」

【意欲アピール】入社までの準備・心構えに関する質問

質問の締めくくりとして、最も意欲的かつ前向きな印象を与える質問です。「内定に満足せず、既に入社後の活躍を見据えている」という高い意識をアピールできます。

  • (推奨される学習): 「入社までの残りの期間で、一日も早く戦力として貢献するために、今のうちから『これは絶対にやっておくべきだ』ということ、あるいは勉強しておくべき分野(例:特定の書籍、語学、プログラミング言語など)があれば、ぜひご指導いただけますでしょうか?」
  • (必要なスキル): 「入社後に配属される可能性のある〇〇職において、現時点で必要となる技術や、特に重要視されるスキルセットがあれば教えてください。」
  • (心構え): 「新入社員として、業務スキル以外で、皆様が私達(新入社員)に最も期待されている『心構え』や『役割』について、改めてお伺いできますでしょうか。」

まとめ:内定式の質問は「準備」がすべて

内定式の質疑応答は、「内定者」から「新入社員」へと意識を切り替えるための重要な第一歩です。

本記事で紹介した質問例文と戦略は、単なる情報収集の手段ではありません。それは、あなたが「自ら考え、入念に準備し、敬意を持って他者から学ぼうとする」という、社会人としての最も重要な姿勢を示すためのものです。

もし質問が思い浮かばなくても、無理に質問する必要はありません。しかし、この貴重な機会を最大限に活用するために、事前に質問を準備し、積極的に質問することが強く推奨されます。

なぜなら、その「準備のプロセス」こそが、あなたの「入社意欲」の最も確かな証拠となるからです。

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