転職の志望動機まとめ!例文を記載してわかりやすく紹介

転職・就職活動の志望動機。採用担当者が知りたいのは、「なぜこの会社なのか?」という具体的な理由です。

表面的な言葉では、あなたの本気度は伝わりません。この記事では、あなたの志望動機を説得力ある「理由」に変えるための書き出しのコツを解説します。

1.厳選!採用担当者の心をつかむ志望動機、例文10選

同業種・同職種の転職(ITエンジニア:Web開発の志望動機)

「私は、Web開発における5年間の経験を活かし、貴社の〇〇プロジェクトに貢献したいと考え、志望いたしました。

前職では、ユーザー数が月間100万人を超える自社サービスのフロントエンド開発を担当し、UI/UX改善によりCV率を15%向上させた実績がございます。

特に、貴社が掲げる「ユーザー中心のプロダクト開発」というビジョンに強く共感しており、最先端技術を用いた貴社の〇〇サービスであれば、これまでの経験を活かし、より社会貢献性の高いサービス開発に挑戦できると確信しております。

入社後は、早期にプロジェクトリーダーとして、チーム全体の開発効率向上とサービスの品質向上に尽力いたします。」

同業種・同職種への転職(営業職:SaaS業界の志望動機)

「SaaS営業として培った顧客課題解決能力と、年間売上目標130%達成の経験を活かし、貴社の新規事業である〇〇ソリューションの市場拡大に貢献したく、志望いたしました。

前職では、導入企業のオンボーディング支援から定着まで一貫して担当し、解約率を5%削減しました。

貴社の〇〇ソリューションが、従来の課題を抜本的に解決する画期的なサービスであると知り、大きな可能性を感じています。

私の強みであるヒアリング力と提案力を駆使し、顧客の潜在ニーズを引き出し、貴社の成長戦略に貢献することで、自身の営業力をさらに高めていきたいと考えております。」

異業種への転職(事務職からIT企業のカスタマーサポートの志望動機)

「私は、医療事務として培ったきめ細やかな対応力と、傾聴力を活かし、貴社のカスタマーサポート職を志望いたします。日々の業務では、患者様の不安を和らげ、最適な情報提供を行うことに努めてまいりました。

IT業界は未経験ではございますが、かねてより貴社の「顧客第一」の姿勢と、革新的な〇〇サービスに魅力を感じておりました。

独学でITパスポートを取得し、〇〇に関するオンライン講座も受講するなど、IT知識の習得に努めております。

これまでの経験で培ったコミュニケーション能力と、新しい知識を積極的に吸収する学習意欲を活かし、お客様に安心と満足を提供できるカスタマーサポートとして貴社に貢献したいと考えております。」

未経験職種への転職(金融業界からマーケターの志望動機)

「私は、銀行での法人融資業務を通じて培ったデータ分析力と論理的思考力を活かし、貴社のマーケティング職に挑戦したいと考え、志望いたしました。

前職では、企業の財務状況を多角的に分析し、リスクと成長性を判断する業務に携わってきました。貴社が提供する〇〇サービスのマーケティング戦略に触れ、データに基づいた緻密な戦略立案に感銘を受けました。

未経験分野ではありますが、Webマーケティングに関する書籍を多数読み込み、SNS広告運用の個人アカウントを立ち上げるなど、実践的な学習を進めております。

私の分析力と、消費者心理を深く理解しようとする探究心を活かし、貴社のブランド価値向上に貢献したいと考えております。」

キャリアアップを目的とした転職(マネージャー職への挑戦の志望動機)

「私は、現職での〇〇プロジェクトの成功経験を活かし、貴社のチームリーダーとして、より大規模な事業に貢献したく志望いたしました。

前職では、5名のチームを率いて〇〇システムの開発を主導し、納期遅延なくプロジェクトを完遂させ、顧客満足度を20%向上させました。

この経験を通じて、チームマネジメントの重要性と、メンバーの能力を最大限に引き出すことの面白さを実感しております。

貴社が展開する〇〇事業は、私のキャリアビジョンである「社会に大きなインパクトを与えるサービス創造」と合致しており、これまでのマネジメント経験と、課題解決能力を活かし、チームを牽引し、貴社のさらなる成長に貢献したいと強く願っております。」

地方へのUターン転職(コンサルタント:地域活性化の志望動機)

「私は、東京でのコンサルティング経験を活かし、生まれ育った〇〇県での地域活性化に貢献したいと考え、貴社を志望いたしました。

前職では、大手企業の新規事業戦略立案に携わり、市場調査から事業計画策定まで一貫して支援してまいりました。

特に、地方創生に特化した貴社のコンサルティング実績に感銘を受けており、〇〇県特有の観光資源や産業の魅力を最大限に引き出す貴社の事業戦略に共感しております。

私の課題解決能力と、地域への深い理解を活かし、貴社のコンサルタントとして、〇〇県の活性化に尽力することで、地域社会に貢献したいと考えております。」

大手企業からベンチャー企業への転職(裁量権拡大パターンの志望動機)

「私は、大手企業での安定した環境で培った〇〇の専門知識と、組織運営における経験を活かし、より裁量権のある環境で事業成長に直接貢献したいと考え、貴社を志望いたしました。

前職では、厳格なプロセスの中での業務遂行を通じて、高い品質基準と効率性を追求する姿勢を学びました。

貴社の「個人の挑戦を尊重し、スピーディーな意思決定を行う」という文化に強く惹かれており、自身の専門性を活かしつつ、これまでの経験にとらわれず、新たな事業創出や組織体制構築に積極的に関わりたいと考えております。

私の主体性と実行力を活かし、貴社の成長を加速させる一員として尽力いたします。」

公務員から民間企業への転職(公共性への貢献意識の志望動機)

「私は、公務員として培った、市民のニーズを汲み取り、課題を解決する能力を活かし、よりスピーディーかつ柔軟な形で社会貢献ができる貴社の事業に魅力を感じ、志望いたしました。

前職では、市民からの問い合わせ対応や、〇〇制度の運用改善に携わり、多様な背景を持つ方々と接する中で、円滑なコミュニケーションと調整能力を磨いてまいりました。

貴社の〇〇サービスが、社会課題の解決に直結するものであると知り、私の「公共性への貢献」という価値観と強く合致しています。

民間企業としてのスピード感と、社会貢献性の高さを兼ね備えた貴社で、これまでの経験を活かし、事業を通じてより多くの人々の生活を豊かにすることに尽力いたします。」

育児からの復職(ワークライフバランスとキャリア継続)

「私は、〇〇での勤務経験と、育児を通じて培った時間管理能力、マルチタスク能力を活かし、貴社の〇〇職でキャリアを継続したいと考え、志望いたしました。

前職では、〇〇業務において〇〇の成果を上げておりました。育児期間中も、情報収集やスキルアップに努め、〇〇の資格取得もいたしました。

貴社の「柔軟な働き方を推奨し、社員のキャリア継続を支援する」という制度に魅力を感じており、子育てと両立しながら、これまでの経験で培ったスキルを最大限に活かし、貴社の業務に貢献できると確信しております。

限られた時間の中で、最大のパフォーマンスを発揮し、貴社の発展に貢献してまいります。」

第二新卒(未経験から新たな挑戦の志望動機)

「私は、大学で培った〇〇の知識と、アルバイトでの顧客対応経験を活かし、貴社の〇〇職に挑戦したいと考え、志望いたしました。

学生時代から〇〇分野に強い興味を抱いており、貴社の〇〇技術が社会に与える影響力の大きさに感銘を受けました。

未経験ではございますが、貴社の研修制度が充実している点に魅力を感じており、持ち前の学習意欲と、粘り強く課題に取り組む力を活かして、一日も早く貴社の戦力となれるよう尽力いたします。

貴社の〇〇事業に貢献し、自身の成長を通じて社会に貢献したいと強く願っております。」

2.なぜ志望動機が重要なのか:採用担当者の視点

採用担当者は、志望動機を通じて応募者の「本気度」「企業理解度」「貢献意欲」「長期的な定着性」を見極めようとしています。特に中途採用では、企業は即戦力となる人材を求めているため、入社直後からの具体的な貢献に加え、長期にわたる企業へのコミットメントを重視します。

志望動機は、応募者がその企業にどれほどの関心を持ち、入社後にどのような価値をもたらすかを具体的に想像させるためのものです。

そのため、単なる過去の経験の羅列ではなく、応募者が企業にもたらす「未来の貢献」と、その企業文化への「適合性」を測る指標として機能します。

採用担当者は、志望動機に記された情報から、応募者が将来的にどのように活躍し、企業目標の達成に寄与するかを具体的に描こうとします。

新卒と中途採用における志望動機の違い

新卒採用における志望動機は、多くの場合、応募者の「ポテンシャル」や「学業・課外活動で培った経験」に焦点が当てられます。しかし、転職における志望動機は、その性質が大きく異なります。

中途採用では、応募者の「具体的な職務経験」「これまでの実績」「特定の業界知識に基づいた実践的な洞察」「明確なキャリアビジョン」、そして「入社後すぐに貢献できる具体的な計画」が求められます。

この違いは、転職における志望動機が「学習意欲」から「貢献能力」への明確な転換を要求していることを示しています。

新卒の場合、「貴社で学び、スキルアップしたい」といった受け身の姿勢も一定程度は許容される傾向にありますが、転職者に対して企業が期待するのは、入社直後からの生産性向上と価値創出です。

したがって、志望動機では「何ができるか」「どのように貢献したいか」といった能動的な姿勢を具体的に示す必要があります。

これは、企業が経験者に対して、より実践的な視点と即戦力としての活躍を求めていることの表れです。

結論ファーストの原則とPREP法の活用

ビジネスコミュニケーションの基本は「結論」から始めることです。志望動機においても、この原則は極めて重要であり、まず結論を提示することで、採用担当者は応募者の主張を迅速に理解し、その後の詳細な説明をスムーズに読み進めることができます。

この結論ファーストの原則を実践する上で、「PREP法」(Point-Reason-Example-Point)は非常に効果的なフレームワークとなります。PREP法は志望動機だけでなく、面接での回答全般に応用できる汎用性の高い構成手法です。

  • P (Point - 結論): 最初に志望動機を一文で簡潔に伝えます。この部分は全体の約1割、30〜50字程度にまとめるのが目安とされています。
  • R (Reason - 理由): 結論の根拠となる理由を端的に説明します。全体の約2割を目安に、結論を補強する具体的な根拠を提示します。
  • E (Example - 具体例): 理由を裏付ける具体的な経験やエピソードを詳述します。この部分は志望動機の中で最も分量が多くなる傾向があり、応募者の個性や行動特性を示す重要な箇所です。エピソードは「起承転結」を意識して構成することで、より説得力が増します。
  • P (Point - 再結論): 最後に、入社後に実現したいことや、企業にどのように貢献したいかを再度結論として提示します。これにより、応募者の意欲と将来の展望を明確に伝えます。

PREP法は、単なる文章構成法に留まらず、応募者の思考の論理性を面接官に示すためのフレームワークとしても機能します。

この手法が「志望動機だけでなく他の回答でも活用できる」とされるのは、情報を整理するだけでなく、応募者が課題解決に向けてどのように思考し、行動するかを推測させるためです。

結論から述べ、その根拠を具体的に、そして最終的にどう貢献するかを示すことで、採用担当者は応募者の即戦力性や問題解決能力を間接的に評価することができます。

説得力を持たせる5つの必須要素

複数の情報源を分析すると、志望動機に含めるべき核となる要素について共通の認識が見られます。これらを総合すると、以下の5つの要素が志望動機の説得力を高める上で特に重要であると導き出されます。

  1. 志望する理由(結論): なぜその企業に応募したのかを明確に伝えます。
  2. 具体的エピソードとその教訓: 志望理由の根拠となる過去の経験や、そこから何を学んだかを具体的に示します。
  3. 入社後に「やりたいこと」と「できること」: 自身のキャリアビジョンと、企業でどのように貢献したいかを具体的に述べます。
  4. なぜこの会社でなければならないのか」: 他社ではなく、その企業でなければならない「必然性」や「独自性」を強調します。
  5. 自分の強み: 上記の各要素に自身の強みを絡めてアピールすることで、説得力が増します。

特に「なぜこの会社でなければならないのか」という要素は、企業への「特別感」と応募者の「深掘り」を示す試金石となります。

多くの情報源がこの点の重要性を強調しているのは、一般的な理由では「他社でも良いのでは?」という疑問を招き、志望度が低いと判断されるリスクがあるためです。

これは、応募者が単に企業情報を知っているだけでなく、その情報が自身の経験や価値観とどう結びつくかを深く考察しているかを測る、採用担当者にとっての重要な評価基準となります。

効果的な文章構成のコツ:具体性、一貫性

志望動機を効果的に構成するためには、以下の点に留意することが重要です。

  • 具体性: 抽象的な表現は避け、自分だけのエピソードや経験を盛り込み、数字や固有名詞を用いて具体的に記述することで、面接官の印象に残りやすくなります。例えば、売上目標達成率やプロジェクトでのコスト削減率など、定量的な成果を示すことで、説得力は飛躍的に向上します。
  • 一貫性: 志望動機全体、特に前職の退職理由との間に論理的な一貫性を持たせることが信頼性を高める上で不可欠です。内容に矛盾があると、採用担当者に不信感を与えかねません。
  • 文字数: 応募書類の記入欄の最低8割は記入し、多すぎず少なすぎず、読みやすい文字数(A4一枚で800字程度が目安)に配慮して作成することが推奨されます。

志望動機の5つの構成要素とポイント

構成要素目的・重要性盛り込むべき内容
志望する理由(結論)応募の核となる目的を明確に提示し、読み手の関心を引く。応募企業に惹かれた具体的な理由、達成したいことの結論。
具体的エピソードとその教訓志望理由に説得力と独自性を持たせる。応募者の人柄や行動特性を示す。志望理由につながる過去の経験、そこから得た学びや価値観。定量的な成果を交える。
入社後に「やりたいこと」と「できること」企業への貢献意欲と将来のビジョンを示す。即戦力としての期待に応える。自身のスキルや経験を活かして、入社後に具体的に取り組みたい業務やプロジェクト、達成したい目標。
なぜこの会社でなければならないのか企業への深い理解と高い志望度をアピールし、他社との差別化を図る。応募企業の独自の強み、企業文化、事業内容、理念など、他社にはない魅力と、それが自身の価値観や目標とどう結びつくか。
自分の強み自身の能力が企業でどのように活かせるかを明確にする。自身のスキル、経験、特性が、応募企業の求める人物像や業務内容にどう貢献できるか。

結論:戦略的志望動機で理想の転職を実現する

転職活動における志望動機は、単なる形式的な書類の一部ではなく、応募者の「過去の経験」と「未来の貢献意欲」を繋ぎ、企業への「適合性」と「独自性」をアピールするための極めて戦略的なツールです。

本記事で詳述したように、採用担当者は志望動機を通じて、応募者が企業にどのような価値をもたらし、長期的に貢献できるかを深く見極めようとします。

このため、志望動機は「結論ファースト」で構成し、自身の具体的な経験と学び、そして「なぜこの会社でなければならないのか」という必然性を明確に結びつけることが不可欠です。

特に、受け身の姿勢や待遇面への過度な言及を避け、自身の強みと入社後の貢献意欲を能動的に示すことが成功の鍵となります。

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