
会議やイベント、飲み会など、ビジネスやプライベートで不参加の連絡をメールでする際、「どう書けば失礼にならないだろうか?」と悩んだ経験はありませんか?
日本のコミュニケーションにおいて「断り」は、相手への敬意を示し、良好な関係を維持するための重要なスキルです。断り方を一つ間違えると、相手に不快な思いをさせてしまい、今後の関係に影響を与えかねません。
この記事では、今すぐコピペして使える不参加メールの例文をシーン別に紹介するとともに、失礼にならないための基本マナーと丁寧な言葉選びのコツを徹底解説します。
目次
【シーン別】不参加メール例文集
まずは、さまざまな状況で使える不参加メールのテンプレートをご紹介します。ご自身の状況に合わせて修正してご活用ください。
1. 取引先からの会議・打ち合わせを断る場合
件名: Re: 〇月〇日の打ち合わせ日程のご連絡【株式会社〇〇 鈴木】
本文: 株式会社〇〇 営業部 〇〇様
いつもお世話になっております。 株式会社〇〇の鈴木です。
この度は、〇月〇日の打ち合わせにお招きいただき、誠にありがとうございます。
せっかくお誘いいただいたところ大変恐縮なのですが、当日はあいにく別の重要な予定が入っており、貴社へお伺いすることができません。
ご期待に添えず、誠に申し訳ございません。
もし可能でしたら、別の日程で調整させていただけますと幸いです。 つきましては、以下の日程でしたら調整可能ですが、〇〇様のご都合はいかがでしょうか。
・〇月〇日(〇)〇〇時~〇〇時 ・〇月〇日(〇)〇〇時~〇〇時
お忙しいところ恐縮ですが、ご検討いただけますと幸いです。 今後とも、どうぞよろしくお願い申し上げます。
【ポイント】
- 感謝の気持ちを伝える
- 代替案を提示し、前向きな姿勢を示す
- 件名は「Re:」で返信し、誰からの何のメールか分かりやすくする
2. 取引先からのイベント・会食を断る場合
件名: 〇〇(イベント名)への出欠のご連絡【株式会社〇〇 鈴木】
本文: 株式会社〇〇 〇〇様
平素より大変お世話になっております。 株式会社〇〇の鈴木です。
この度は、貴社主催の〇〇(イベント名)にご招待いただき、誠にありがとうございます。
ぜひ参加したいと考えておりましたが、あいにく先約がございまして、今回は不参加とさせていただきます。 お誘いいただきましたのに、大変申し訳ございません。
当日のイベントの盛会を心よりお祈り申し上げます。 またの機会がございましたら、ぜひお声がけいただけますと幸いです。
【ポイント】
- 「不参加」という言葉を使い、丁寧に参加しない意思を伝える
- イベントの成功を祈る一文を加え、相手への配慮を示す
3. 営業・提案を断る場合
件名: 「〇〇」のご提案について【株式会社〇〇 鈴木】
本文: 株式会社〇〇 〇〇様
いつもお世話になっております。 株式会社〇〇の鈴木です。
先日は、「〇〇」に関するご提案をいただき、誠にありがとうございました。 持ち帰りまして社内で慎重に検討を重ねましたが、誠に恐縮ながら、今回は見送らせていただくことになりました。
ご期待に添えず大変申し訳ございませんが、何卒ご了承くださいますようお願い申し上げます。
末筆ではございますが、貴社の益々のご発展を心よりお祈り申し上げます。
【ポイント】
- 提案内容自体ではなく「今回は」という点を強調し、将来の可能性を残す
- 理由は「社内で検討した結果」など、内部要因とすることで角が立たない
4.社内会議を欠席する場合
件名: 【欠席のご連絡】〇月〇日(〇)〇〇会議(〇〇部 鈴木)
本文: 〇〇部長
お疲れ様です。 〇〇部の鈴木です。
〇月〇日(〇)〇〇時からの〇〇会議ですが、 急なクライアント対応が入ってしまったため、大変申し訳ありませんが欠席させていただきます。
後日、議事録を拝見し、内容をキャッチアップいたします。 ご迷惑をおかけいたしますが、何卒よろしくお願い申し上げます。
【ポイント】
- 社内向けでも「申し訳ない」という気持ちを伝える
- 欠席中のフォロー(議事録確認など)を申し出て、意欲を示す
5. 会社の飲み会を断る場合(上司・先輩へ)
件名: Re: 〇月〇日の懇親会について(〇〇部 鈴木)
本文: 〇〇部長
お疲れ様です。 〇〇部の鈴木です。
懇親会のご連絡、ありがとうございます! せっかくお誘いいただいたのですが、あいにく所用があり、今回は欠席させていただきます。
皆様にもよろしくお伝えください。 また次の機会にぜひ参加させてください!
【ポイント】
- 理由は「所用のため」など、簡潔で差し障りのないものにする
- 「また誘ってください」という一言で、人間関係を円滑にする
6. 採用・内定を辞退する場合
件名: 選考辞退のご連絡【氏名】
本文: 〇〇株式会社 人事部 〇〇様
お世話になっております。 〇月〇日に内定のご連絡をいただきました、〇〇 〇〇(氏名)です。
この度は、内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございました。 このような光栄な機会をいただきながら大変恐縮なのですが、慎重に検討を重ねた結果、今回の内定を辞退させていただきたく、ご連絡いたしました。
貴社には大変ご迷惑をおかけいたしますこと、心よりお詫び申し上げます。 何卒ご容容くださいますようお願い申し上げます。
末筆ながら、貴社の益々のご発展を心よりお祈り申し上げます。
【ポイント】
- 感謝と謝罪を最大限丁寧に伝える
- 辞退理由は、もし伝える場合は「他社とのご縁があり」など、正直かつ簡潔に
7. 結婚式への不参加を伝える場合
件名: Re: 結婚式のご招待の件
本文: 〇〇さん
ご結婚おめでとうございます! 素敵な招待状をありがとう。
せっかくお招きいただいたのに本当に申し訳ないのですが、 当日はやむを得ない事情があり、残念ながら欠席させていただきます。
お二人の晴れ姿を拝見できず残念ですが、素晴らしい式になるよう心から願っています。 ささやかですが、お祝いの気持ちを贈らせていただきます。
また改めてお祝いさせてね。 末永くお幸せに!
【ポイント】
- お祝いの気持ちを最初に伝える
- 理由は「やむを得ない事情」など、曖昧な表現でOK
- 電話や返信はがきで伝えるのが正式だが、メールで一報入れる場合も丁寧さを心がける
【保存版】失礼にならない不参加メールの基本構成
丁寧な不参加メールは、以下の5つの要素で構成されています。この型を覚えれば、どんな状況でも応用できます。
- 感謝の言葉: まずは招待や提案に対する感謝を伝えます。「この度は、〜にご招待いただき誠にありがとうございます。」
- 断りの表明: クッション言葉を使い、不参加の意思を明確に伝えます。「大変申し訳ございませんが、今回は〜させていただきます。」
- 理由: 相手が納得できる、簡潔な理由を述べます。「あいにく先約がございまして、」「所用のため」など。
- 謝罪の言葉: 期待に応えられなかったことへのお詫びを伝えます。「ご期待に添えず申し訳ございません。」
- 結びの言葉: 相手への配慮や、今後の関係維持を願う言葉で締めます。「またの機会がございましたら、ぜひお声がけください。」「〇〇の御盛会を心よりお祈り申し上げます。」
衝撃を和らげる「クッション言葉」
断りの本題に入る前に添えることで、表現を柔らかくし、相手の心理的負担を軽減します。
クッション言葉 | 用途・ニュアンス |
誠に恐縮ですが | 非常に丁寧で、謙遜の意を強く表したいときに最適。 |
大変申し訳ございませんが | 最も一般的で、フォーマルな場面で幅広く使える。 |
せっかくですが | 相手の厚意や労力を無駄にしてしまう心苦しさを表現。招待を断る際によく使う。 |
あいにくですが | 「残念ながら」というニュアンスで、自分の力ではどうにもならない状況を示唆。 |
状況別・断りの定型句
「断る」という行為も、状況によって使うべき言葉が異なります。適切な言葉を選びましょう。
状況 | 推奨フレーズ | ニュアンス |
会議・社内イベント | 欠席させていただきます | 「その場に居合わせません」という事実を丁寧に伝える。 |
社外イベント・パーティー | 不参加とさせていただきます | 「参加しません」という意思を、よりフォーマルに伝える。 |
役職・内定 | 辞退させていただきます | 与えられた機会や名誉に対し、敬意を払いつつ身を引く謙譲表現。 |
ビジネス提案・購入 | 見送らせていただきます | 「今回は見合わせます」というビジネス上の標準的な断り文句。 |
【要注意】避けるべきNG表現
- 直接的すぎる否定:「無理です」「興味がありません」 → 相手を拒絶する強い言葉。関係性を損なうため絶対NG。
- 曖昧な返事:「検討します」(断ることが決まっているのに使う) → 相手に無駄な期待を持たせ、後でより大きな迷惑をかける。
- 自己中心的な表現:「私は不参加です」 → 謙虚さがなく、高圧的な印象を与えてしまう。
ワンランク上の気配り!不参加連絡の注意点
返信は「できるだけ早く」が鉄則
不参加の連絡は、相手が次の手配(人数の確定、代理の依頼など)を進められるよう、分かった時点ですぐに返信するのが最大の配慮です。返信を後回しにするのは避けましょう。
メールと電話の使い分け
重要な取引や、結婚式のような特に大切なイベントへの不参加連絡は、メールを送る前に電話で一報を入れるのが最も丁寧です。声で直接謝罪することで、誠意が伝わりやすくなります。
代替案を提示する
単に断るだけでなく、「〇日なら参加できます」「〇〇という形なら協力できます」のように代替案を提示すると、協力したいという前向きな姿勢が伝わり、相手との関係をより強固にできます。
結論:丁寧な「断り」は、未来への投資
この記事で解説したように、丁寧な「お断りメール」は、単に不参加を伝えるだけの事務的な連絡ではありません。それは、相手への敬意を示し、信頼関係を守り、将来の良好な関係へと繋ぐための重要なコミュニケーションです。
今回ご紹介した例文やマナーを活用し、相手への配慮が伝わるスマートな断り方を身につけて、ビジネスやプライベートでの人間関係をより良いものにしていきましょう。