
体調不良や私用で仕事を休まなければならないとき、「なんて言えばいいか分からない…」と迷ったことはありませんか?
伝え方ひとつで、相手の受け取り方や印象は大きく変わります。
この記事では、ビジネスシーンで使える「感じの良い休みの伝え方」を、例文付きでわかりやすく紹介します。
1.仕事を休む際の基本的な伝え方!日本語フレーズまとめ
仕事を休む意向を伝える際に基本となる丁寧なフレーズをいくつかご紹介します。状況に応じて使い分けることで、よりスムーズなコミュニケーションを図ることができます。
「お休みをいただきたいのですが、よろしいでしょうか。」
これは、相手に許可を求めるニュアンスを含む、丁寧な依頼表現です。様々な状況で幅広く使用できる汎用性の高いフレーズと言えるでしょう。
「休ませていただきたいのですが。」
この表現は、「休む」という行為を相手に許可してもらうという意味合いが強く、より謙虚な印象を与えます。特に、上司や目上の人に対して用いるのに適しています。
これらの基本的なフレーズに加えて、理由や期間などを具体的に伝えることで、より丁寧で分かりやすい連絡になります。
日本語のビジネスシーンにおいては、丁寧語(です・ます調)や尊敬語・謙譲語(いわゆる敬語)を適切に用いることが不可欠です 。特に、上司や同僚に対して失礼のない言葉遣いを心がけることが重要です。
日本語フレーズ | フォーマリティ | 典型的な使用場面 |
---|---|---|
お休みをいただきたいのですが、よろしいでしょうか。 | 丁寧 | 幅広い状況で利用可能。許可を求める丁寧な表現。 |
休ませていただきたいのですが。 | より丁寧 | 上司や目上の人に対して。謙虚な印象を与える許可を求める表現。 |
本日はお休みさせていただきます。 | 誤用とされる | 自分自身を敬っていると解釈されるため、ビジネスシーンでは避けるべき。 |
お休みをいただきます。 | 誤用ではないが推奨されない | 「休み」は名詞のため、自分を敬っていることにはならないが、「休ませていただきます」の方がより適切。 |
休暇をいただきたく存じます。 | 最も丁寧 | 特にフォーマルな場面や、休暇期間が長い場合などに適した、非常に丁寧な表現。 |
2.理由に応じた仕事を休む際の伝え方
仕事を休む理由は様々ですが、理由に応じて適切な伝え方をすることで、相手に理解してもらいやすくなります。
病気(体調不良)の仕事を休む伝え方
体調不良で休む場合は、会社にその旨を明確に伝えることが重要です 。具体的な症状を簡潔に伝えることで、上司や同僚も状況を把握しやすくなります。
例えば、「発熱のため」、「頭痛がひどく」、「腹痛が続いており」など、業務に支障が出る状態であることを具体的に伝えましょう 。
電話で連絡する際のフレーズ例としては、以下のようなものがあります。
- 「昨晩から熱があり、本日お休みをいただきたいのですが。」
- 「体調不良のため、本日欠勤させていただきます。」
また、医療機関を受診する予定がある場合や、復帰の目処が立っている場合は、その旨も伝えると良いでしょう 。
例えば、「この後病院を受診する予定です。診断結果が出ましたら、改めてご連絡いたします。」や、「明日には復帰できる見込みです。」といった情報を加えることで、より丁寧な印象になります。
単に「体調不良」と伝えるだけでなく、具体的な症状を伝えることで、周囲の理解を得やすくなり、場合によっては「ズル休み」ではないかという疑念を避けることにも繋がります 。
私用の仕事を休む伝え方
私用で休む場合は、「私用のため」という理由で伝えることが一般的です 。詳細な理由を伝える必要がない場合や、個人的な理由で詳細を話したくない場合に適しています 。
連絡の際のフレーズ例としては、以下のようなものが挙げられます。
- 「私用のため、本日お休みをいただきたく存じます。」
- 「所用のため、明日お休みをいただきます。」
「所用」という言葉は、「私用」よりもややフォーマルな印象を与えるため、相手や状況によって使い分けると良いでしょう 。
法律上、「私用のため」という理由でも有給休暇を取得することは可能ですが , 実際には、「通院のため」や「家庭の事情で」など、理由の性質を簡潔に伝える方が、よりスムーズに承認を得られやすく、配慮を示すことにも繋がります 。
休暇(有給休暇)の仕事を休む伝え方
事前に計画された休暇を申請する場合は、早めに上司に伝えることが重要です 。休暇の理由としては「私用のため」とすることが多いですが 、具体的な理由を伝えても問題ありません。
休暇を申請する際のフレーズ例は以下の通りです。
- 「〇月〇日から〇日まで有給休暇をいただきたく存じます。」
- 「〇月〇日に休暇をいただいてもよろしいでしょうか。」
休暇を申請する際には、会社が定めた手続きに従う必要があります(休暇申請書の提出など) 。
法律では、有給休暇取得に理由は不要とされていますが 、「私用のため」などの簡単な理由を添えることは、職場のコミュニケーションとして円滑な関係を保つ上で有効です。
忌引きの仕事を休む伝え方
身内に不幸があった際に休暇を申請する場合は、会社にその旨を速やかに伝える必要があります 。亡くなった方との関係性を明確に伝え、忌引き休暇を希望する期間を申し出ましょう。
連絡の際のフレーズ例としては、以下のようなものが考えられます。
- 「昨晩、〇〇(続柄)が亡くなりましたので、〇日から〇日まで忌引き休暇をいただきたく存じます。」
忌引きの連絡をした際には、葬儀の日程や場所について尋ねられることがあります 。会社の規定によって忌引き休暇の日数が定められている場合があるため、事前に確認しておくと良いでしょう 。
3.仕事を休む伝え方で変わる職場文化と関係性について
休暇を申請する際の適切な言葉遣いや方法は、職場の文化や上司との関係性によって異なる場合があります 。
伝統的な年功序列の強い企業や、上下関係が明確な職場では、より丁寧な敬語を用いたフォーマルな伝え方が求められます。
一方で、比較的フラットで自由な社風の職場であれば、多少カジュアルな表現でも許容される場合がありますが、それでもプロフェッショナルな態度は維持すべきです。
また、直属の上司との個人的な信頼関係も、コミュニケーションのスタイルに影響を与えることがあります。
日頃から良好なコミュニケーションを築けている上司であれば、比較的ストレートな言い方でも理解を得られるかもしれませんが、そうでない場合は、より丁寧な言葉遣いを心がけるべきでしょう。
依然として、多くの日本企業では、特に病気による当日欠勤の場合、電話での連絡を重視する傾向があります 。
これは、直接声を聞くことで、相手の状況をより正確に把握しようとする文化的な背景があると考えられます。
しかし、近年では、メールやチャットでの連絡を認める、あるいは推奨する職場も増えてきています 。
休暇理由の詳細についても、職場文化や上司の考え方によって期待される度合いが異なります。
ある上司は、具体的な理由を知りたいと考えるかもしれませんが、別の上司は、簡潔な報告で十分だと考えるかもしれません。
日頃から上司のコミュニケーションスタイルや職場の雰囲気を観察し、適切な伝え方を模索することが大切です。
4.仕事を休む伝え方で中止すべきポイント
仕事を休む際の連絡手段としては、主に電話、メール、チャットが挙げられます。それぞれの状況や会社のルールに応じて適切な方法を選択する必要があります。
口頭での伝え方(電話)
当日、急に休む必要が生じた場合、電話で直属の上司に連絡するのが最も一般的で推奨される方法です 。電話連絡の際には、以下の点に注意しましょう。
- 連絡のタイミング:始業時間前、できれば10〜15分前を目安に連絡しましょう 。早すぎると相手が出勤していない可能性があり、遅すぎると無断欠勤とみなされる場合があります。
- 連絡先:原則として直属の上司に連絡します。上司が不在の場合は、上司の次の役職の方に連絡し、上司への伝言を依頼しましょう 。
- 伝える内容:休む理由を明確に伝え 、「お休みさせていただいてもよろしいでしょうか」と相談する形で伝えましょう 。また、迷惑をかけることへのお詫びの気持ちを忘れずに伝えましょう 。休む期間、業務の引き継ぎ状況、連絡先なども簡潔に伝えられるように準備しておきましょう 。担当している業務の進捗状況や、引き継ぎが必要な事項があれば、具体的に伝え、復帰の目処が分かれば、それも伝えましょう 。
電話での連絡後、特に休暇期間や引き継ぎ事項については、誤解を防ぐためにメールやチャットで改めて連絡を入れておくことが望ましいです。これにより、書面での記録が残り、双方にとって確認が容易になります。
メールやチャットなどでの書き方
計画的な休暇申請や、電話連絡が難しい状況(体調不良で声が出せないなど)、あるいは会社のルールで許可されている場合は、メールやチャットで休暇を申請することができます 。
メールで連絡する際のポイントは以下の通りです。
- 件名:件名を見ただけで内容が分かるように、「欠勤のご連絡」や「有給休暇申請(〇月〇日)」など、具体的かつ簡潔に記載しましょう。所属部署と氏名も加えると、より分かりやすくなります 。
- 宛名・挨拶:上司や関係者に対して、適切な宛名と挨拶文を記載します 。
- 欠勤理由:簡潔に理由を伝えます 。
- 休む日数・期間:いつからいつまで休むのか、明確に記載します。復帰の目処が分かれば、それも伝えましょう 。
- 業務への対応:急ぎの業務や引き継ぎが必要な場合は、その対応状況を具体的に記載します。誰に何を依頼しているのか、明確に伝えましょう 。
- 謝罪とお礼:休むことに対する謝罪と、理解を求める言葉を添えましょう 。
- 連絡先:緊急時の連絡先を記載しておくと、より丁寧です 。
- 結び:「よろしくお願いいたします」や「失礼いたします」などの丁寧な結びの言葉で締めくくりましょう 。
チャットで連絡する場合も、基本的な内容はメールと同様ですが、より簡潔に伝えることを意識しましょう。ただし、当日、急な体調不良で休む場合は、可能な限り早めに連絡することが重要です 。
5.休暇を申請する際の手続きやルール
休暇申請の手続きやルールは、会社によって異なります 。まずは、自社の就業規則や社内規定を確認し、定められた手続きに従って申請を行うようにしましょう 。
計画的な休暇(有給休暇など)の場合は、事前に申請期間が定められていることが多いです 。休暇を取得したい日の数週間前、遅くとも数日前までには申請を行うのが望ましいでしょう 。
当日、急な体調不良などで休む場合は、始業前に電話で連絡することが一般的です 。
会社には、労働者が申請した有給休暇の取得時期を変更する権利(時季変更権)が認められています 。ただし、これは事業の正常な運営を妨げる場合に限られます。
休暇の種類 | 申請のタイミング | 連絡方法の推奨 | 備考 |
---|---|---|---|
病気による当日欠勤 | 始業前のできるだけ早い時間 | 電話(原則)、状況によりメールまたはチャット | 症状、受診予定、復帰見込みを伝える。電話後、必要に応じてメール等で詳細を連絡。 |
私用による当日欠勤 | 始業前のできるだけ早い時間 | 電話(原則)、状況によりメールまたはチャット | 簡潔に理由を伝える。 |
計画的な休暇(有給休暇) | 事前に会社の規定に従い申請 | 会社の規定による(申請書、メールなど) | 可能な限り早めに申請する。 |
忌引き | 可能な限り速やかに | 電話(原則)、その後メールで詳細を連絡 | 亡くなった方との関係、休暇希望期間、葬儀日程などを伝える。 |
会社によっては、有給休暇の申請期限が定められている場合があります 。これは、業務の調整や人員配置を円滑に行うために必要な措置です。期限を守って申請するようにしましょう。
また、メールやチャットでの休暇申請が認められている場合でも、念のため口頭で上司に一言伝えておく方が、より丁寧な対応と言えるでしょう。
6.重要な考慮事項とエチケット
仕事を休む際には、いくつかの重要な点と守るべきエチケットがあります。
- 連絡のタイミング:休む必要があると分かった時点ですぐに連絡することが重要です 。
- 必要な情報の伝達:休む理由、期間、業務の引き継ぎ状況、緊急連絡先などを明確に伝えましょう 。
- お詫びの気持ち:休むことで周囲に迷惑をかける可能性がある場合は、必ずお詫びの気持ちを伝えましょう 。
- 復帰後の感謝:休み明けには、業務を代わってくれた同僚や上司に感謝の気持ちを伝えましょう 。
- 正直さ:欠勤理由を伝える際には、嘘をつかないことが大切です。信用を損なう可能性があります 。
- 業務への影響の考慮:自身の欠勤がチームに与える影響を考慮し、可能な範囲で事前に業務を整理したり、引き継ぎの準備をしたりすることが望ましいです 。体調不良の場合でも、詳細な個人的な医療情報を伝える必要はありませんが、業務に支障が出る状態であることを簡潔に伝えることが大切です。透明性とプライバシーのバランスを保つように心がけましょう。
結論
仕事を休む際の連絡は、日本の職場において重要なコミュニケーションスキルの一つです。
会社ごとのルールや職場の文化、そして上司との関係性を考慮しながら、適切な言葉遣いと方法で連絡することが、信頼関係を維持し、円滑な業務遂行に繋がります。
本稿で解説した基本的なフレーズ、理由別の伝え方、コミュニケーション方法、そして手続きやエチケットを参考に、状況に応じた適切な対応を心がけてください。